妊婦の歯科治療(平塚市ホワイト矯正歯科)
①受診時期原則的に歯科治療を受けて悪い時期というものはありません。ただし、つわり・流産・早産の危険性を考えると、比較的安定している4ヶ月から5ヶ月頃が望ましいでしょう。
②歯科治療に際して
母子手帳を提示して下さい。
産婦人科医から注意を受けていることは歯科医師に伝えましょう。
楽な姿勢で治療を受け、体調・気分が悪くなった時は遠慮なく申しでましょう。
③レントゲン撮影
歯科撮影は、性腺・子宮から離れており、胎児への放射線の影響はほとんどありません。地球上で1年間に浴びる自然放射線量は、日本でおおよそ 2.3mSV(ミリシーベルト)です。同じ放射線量で、デンタルフィルムは150枚以上、パノラマは100枚撮影できることになります。また、デジタルX線装置では、従来のX線撮影での 1/2~1/10の被曝量ですみます。さらに防護エプロンの使用でX線を1/100程度の減弱させるため、被曝量は限りなくゼロに近くなります。
④治療内容
通常の歯科処置、例えば 歯石除去、う蝕治療、簡単な外科処置は行うことが可能ですが、緊急性が無く、炎症を伴わない外科処置はやはり避けるべきです。ただし、出産までに放置すればさらなる強い炎症きたすと思われる病巣・歯の処置は胎児・妊婦の方の状態を考慮した上で行うこともあります。
⑤歯科用局所麻酔剤
妊娠中の浸潤麻酔や外科処置は最小限にとどめたいものです。
ただ、急性症状で重症化を招く場合、処置を行う上で、局所麻酔使用が必要となる場合があります。歯科領域で使用される局所麻酔薬(キシロカイン)は通常の使用量で催奇形性が認められるものはなく安全に使用できます。(この局所麻酔薬は、無痛分娩にも用いられています)むしろ疼痛によるストレスを考えると、安定期には適切に使用した方がよいと思われます。
⑥服薬の影響
外科処置同様、やむを得ない場合のみ使用します。
適切な使用時期、使用量、使用期間を十分考慮し、妊娠中や授乳中でも安全に使用できる抗生物質、炎症を抑える消炎鎮痛剤を用います。
妊産婦に使用可能な薬剤
抗生物質
ペニシリン系→催奇形性がなく、乳児・胎児への毒性も認められないほど安全性確立
セフェム系
→臍帯や授乳中に分泌されにくく、胎児・乳児への移行が少ない。
鎮痛薬
鎮痛薬には妊娠時禁忌の薬剤が比較的多い。妊娠初期から使用可能な最も安全な薬剤はアセトアミノフェン(カロナール)といわれている。
催奇形成、機能障害の危険がなく、体外排泄時間が早い。また、胎児への移行もしにくい。その安全性から、小児の鎮痛解熱剤としても使用されています。
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